研究会のホームページを無料ツールで作るときの注意点|制作会社に頼む目安

学会・研究会の事務局公開 River Tech合同会社

会員が数十人ほどの研究会なら、ホームページは無料のツールで十分に作れることがよくあります。この記事では、無料・低価格のツールで「できること」と「限界が来やすいこと」を整理し、無料ツールで足りる会と制作会社に相談した方がよい会の目安、自分で作るときに最初に決めておきたいことをまとめます。

このテーマのご案内:学会・研究会の事務局の方へ(事務局の仕組みづくり)

結論:小さな研究会は、まず無料ツールで始めてよい

先に結論です。

  1. 会の紹介・例会の案内・問い合わせ先が載っていれば、最初は無料ツールで十分なことが多いです
  2. ただし、アカウントの名義・ドメイン(ホームページの住所)・更新する人の3つは、作る前に決めておきます。ここを決めずに始めると、担当が替わったときに困ります
  3. 会員限定のページ、名簿との連動、会費の受け付けが必要になったら、ツールの限界が見えてくる頃です。そこで制作会社や既製の会員管理サービスを検討すれば十分です

無料かどうかよりも、「誰が、何年先まで、どの作業を続けるか」で選ぶのが失敗しにくい考え方です。

無料・低価格で使えるツールは大きく3種類

研究会のホームページに使われることが多いツールを、種類ごとにまとめました。どのツールも、機能や料金、規約は変わることがあります。使う前に、各サービスの最新の案内を確かめてください。

種類 例・特徴 向いていること 気をつけること
Googleサイト Googleアカウントがあれば使える、ページ作成の道具 会の紹介、例会の案内、資料のPDFを置く。Googleフォームで申込を受ける デザインの自由度は控えめ。会員の管理や決済の機能は持っていない
ノーコードのサイト作成サービス 画面上で部品を並べてページを作るサービス。無料のプランと有料のプランがあるものが多い 見た目を整えたい、写真を多く使いたい 無料のプランでは、サービスのロゴや広告が出る、独自ドメインが使えないなどの制限がある場合が多い
ブログサービス 記事を書くと日付順に並ぶ 活動報告や開催報告をこまめに載せる 会の紹介のような「固定のページ」が作りにくいものがある。無料のプランでは広告が出ることが多い

どれも一般に、専門の知識がなくても始められるように作られています。迷ったら、事務局の方がふだん使っている道具に近いもの(Googleのアカウントを使っているならGoogleサイト、など)を選ぶと続けやすくなります。

無料ツールが得意なこと

無料ツールは、次のような「情報を載せて見てもらう」ことは得意です。

  • 会の紹介:設立の趣旨、代表・世話人、活動内容、事務局の連絡先
  • 例会・研修会の案内:日程、会場、対象、申込方法。チラシのPDFを置くこともできます
  • 開催報告:写真と短い文章で、活動が続いていることを伝えられます
  • 申込の受付:Googleフォームなどのフォームを埋め込めば、申込が一覧表にたまります
  • スマホでの表示:多くのツールは、スマホで見やすい形に自動で調整してくれます

会員以外の人(入会を考えている方、講師をお願いしたい方、会場の担当者など)に会のことを伝える、という目的なら、これで足りる会は少なくありません。

無料ツールで限界が来やすい6つの点

一方で、次の6つは、無料ツールでは手間が増えたり、あとで困ったりしやすいところです。

1. 独自ドメイン

独自ドメインとは、会専用のホームページの住所(例:「〇〇-kenkyukai.jp」のようなもの)です。無料のプランでは、サービスの名前が入った住所になることが多く、独自ドメインは有料のプランだけ、という場合があります。

住所がサービスの名前のままだと、ツールを替えたときに住所も変わります。名刺やチラシ、他の団体からのリンクが古い住所のまま残ってしまいます。長く続ける会なら、早めに独自ドメインを会として取っておくと安心です。

2. 会員限定のページ

ツールによっては、見られる人を限る設定や、ページにパスワードをかける機能があります。ただし多くの場合、会員を足したり外したりするのは手作業です。共通のパスワードにすると、退会した方も知ったままになります。会員限定ページの作り方と選び方は「学会・研究会のホームページに会員限定ページを作る方法と選び方」でくわしく比べています。

3. 名簿との連動

ホームページに会員一覧を載せていると、入会・退会のたびに名簿とホームページの両方を直すことになります。無料ツールには、名簿の表から一覧を自動で作るような機能は、一般にありません。どちらかを直し忘れると、退会した方が一覧に残ってしまいます。

4. 会費・参加費の受け付け(決済)

無料ツールの多くは、カードでの支払いを直接受け付ける機能を持っていません。振込の案内を載せる、外部の決済サービスへのリンクを置く、という形になります。その場合も、入金と名簿の突き合わせは事務局の手作業として残ります。

5. 引き継ぎ

いちばん多いつまずきは、世話人や事務の担当の方の個人のアカウントで作ってしまうことです。担当が替わったときにログインできず、作り直すしかなくなることがあります。更新の引き継ぎについては「ホームページを自分で更新し続けるには|担当者が替わっても回る仕組み」も参考にしてください。

6. 広告やサービスのロゴの表示

無料のプランでは、ページの上や下に、サービスの広告やロゴが表示されることがあります。どんな広告が出るかを会の側で選べないことも多く、医療系の研究会などでは、会の内容と関係のない広告が並ぶのを気にされる方もいます。広告の有無はプランによって変わるので、公開前に実際の画面で確かめてください。

無料ツールで足りる会/相談した方がよい会

目安を表にまとめました。どちらか一方に当てはまらなくても、いちばん困っている作業がどちらの列にあるかで考えてみてください。

確かめること 無料ツールで足りる会 制作会社や既製サービスに相談した方がよい会
ホームページの目的 会の紹介と例会の案内が中心 会員だけに資料や録画を届けたい
会員一覧 載せない、または年に数回直す程度 入会・退会が多く、名簿と合わせ続けたい
会費・参加費 振込や当日の受付で回っている カードで受けたい、未納の確認に時間がかかっている
申込 フォームで受けて、一覧を見れば足りる 申込を名簿や参加者の一覧に書き写す手間が大きい
更新する人 決まった人が年に数回 世話人の持ち回り、担当がよく替わる
見た目 読みやすければよい 会の顔として、学会らしい落ち着いた見た目にしたい
続ける年数 まず1〜2年、様子を見たい 何年も続け、過去の開催情報を積み上げたい

右の列が多い場合でも、ホームページを丸ごと作り直す必要があるとは限りません。困っている作業が「名簿と会費の突き合わせ」だけなら、そこだけを整えれば足りることもあります。作り直す場合に費用がどう決まるかは「研究会・学会のホームページ費用は何で決まる?見積もりの読み方と比べ方」にまとめています。

自分で作るときの準備チェックリスト

無料ツールで作ると決めたら、作り始める前に次のことを決めておきます。あとから直すのが大変なものほど、上に並べています。

  • [ ] アカウントの名義を会にする:事務局用のメールアドレスとアカウントを会として作り、個人のアカウントでは作らない
  • [ ] 管理できる人を2人以上にする:代表と事務局など、少なくとも2人がログインできる状態にする
  • [ ] パスワードの保管場所を決める:マニュアルやメールにパスワードを書かず、会で決めた場所に保管する。担当が替わったら変更する
  • [ ] ドメインを決める:独自ドメインを使うなら、会の名義・事務局の連絡先で取り、更新の時期と支払い方法を記録しておく
  • [ ] 更新する人と頻度を決める:「例会の案内は開催の1か月前、開催報告は終了後2週間以内」のように決める
  • [ ] バックアップをとる:文章・写真・PDFの元のファイルを、ツールとは別の場所(会の共有フォルダなど)にも保存しておく
  • [ ] 個人情報を載せない:会員の住所・電話・生年月日などは載せない。フォームで集めた申込の一覧は、共有する相手を事務局の方だけに絞る
  • [ ] 広告の表示を確かめる:公開前に、スマホとパソコンで実際の画面を見て、広告やロゴの出方を確かめる
  • [ ] 作り方のメモを1枚残す:使っているツール、ログインの方法(パスワード以外)、更新の手順を、次の担当の方が読める形で残す

この9つが決まっていれば、途中で制作会社に頼むことになっても、移る作業はずっと楽になります。

途中で制作会社に頼むことになっても困らないために

無料ツールで始めた会が、数年後に作り直しを考えるのはよくあることです。そのときに困らないよう、ふだんから次の2つを意識しておくと安心です。

  • 住所(ドメイン)を会のものにしておく:作り直しても同じ住所のまま移れるので、名刺やチラシを作り直さずに済みます
  • 中身をツールの外にも残しておく:文章・写真・PDFが手元にあれば、新しいホームページへ移すときの作業が減ります

River Techでは、学会・研究会の事務局の方へのページで、今のやり方を活かした進め方をご紹介しています。無料のツールで足りる場合は、そのようにお伝えするのが私たちの考え方です。「今のホームページのままでよいか」を知りたい場合は、直すとよい点を1枚にまとめた「ホームページの改善案」を、名簿や会費など事務の手間まで見直したい場合は「棚卸し診断(オンライン45分・15,000円(税込)・「手間の地図」1枚)」をご利用ください。

自分の会で確かめる3つの質問

  1. 今のホームページ(または作る予定のホームページ)は、だれのアカウントで作っていますか? その方が明日いなくなっても、ログインできますか?
  2. ホームページの住所は、ツールを替えても同じまま使えますか?
  3. 入会・退会があったとき、名簿のほかに直す場所はいくつありますか?

1と2に迷ったら、まずアカウントとドメインを会のものに整えましょう。3の答えが「2か所以上」なら、そこが仕組みを考え始めるきっかけになります。

よくある質問

Googleサイトで作ると、研究会のホームページとして見劣りしませんか?

会の紹介、例会の案内、問い合わせ先が整理されていれば、一般に、見た目の凝り方よりも「情報が新しく正確であること」の方が信頼につながります。トップに次回の例会を大きく出す、写真の明るさをそろえるなど、載せ方の工夫で印象は大きく変わります。

無料ツールで作ったホームページを、あとから制作会社に作り直してもらえますか?

できます。独自ドメインを団体として取っておけば、作り直してもホームページの住所(URL)を変えずに移れます。文章・写真・PDFを手元にまとめておくと、移すときの手間を減らせます。

無料ツールで会員限定ページは作れますか?

ツールによっては、見られる人を限る設定やパスワードをかける機能があります(有料のプランだけの場合もあります)。ただし会員の追加・削除は手作業になることが多く、共通のパスワードは退会した方も知ったままになるため、会員が増えてきたら見直しをおすすめします。

代表の先生の個人のアカウントで作ってもよいですか?

おすすめしません。代表や世話人の交代のときに、だれもログインできなくなることがあります。事務局用のアカウントを会として作り、管理できる人を2人以上にしておくと安心です。

River Techに相談すると、制作を勧められますか?

会の規模や事務の体制から見て無料ツールで足りる場合は、そのようにお伝えします。そのうえで、名簿との突き合わせや会費の受け付けなど困っている作業があれば、どこから手を付けるとよいかをご提案します。

学会・研究会の事務局の方へ

今のやり方を活かして、事務局の手間をひとつずつ減らします。

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