研究会・学会のホームページ費用は何で決まる?見積もりの読み方と比べ方

学会・研究会の事務局公開 River Tech合同会社

研究会・学会のホームページの費用は、「ページがいくつあるか」だけでは決まりません。大きく効くのは、原稿や写真を誰が用意するか、会員ページ・申込・決済などの機能が要るか、そして公開後に誰がどう更新するかです。この記事では、費用が決まる要素と、見積もりを読むとき・比べるときのポイントを、事務局の方向けにまとめます。

結論:費用は「作る量」と「公開後の手間」で決まる

先に要点をまとめます。

  • 費用は大きく「初期費用(作るときに一度かかる)」と「毎月・毎年の費用(公開後にかかり続ける)」に分かれます。見積もりでは、必ず両方を確認します
  • 初期費用を左右するのは、ページ数そのものより「原稿・写真の用意」「デザインの作り込み」「会員ページ・申込・決済・動画などの機能」です
  • 見積もりの金額の差は、多くの場合「含まれている作業の範囲」の差です。項目をそろえて比べないと、高い・安いは判断できません
  • 費用をおさえるには、必要なところから段階的に作り、今ある名簿の表や既製のサービスで足りる部分は活かします

費用を決める8つの要素

研究会・学会のホームページで、費用に影響しやすい要素を表にしました。見積もりを頼む前に、右の列を事務局で決めておくと、話がぐっと早くなります。

要素 費用が増えやすいケース 事前に決めておくこと
ページ数と原稿・写真 原稿を制作会社が書く、写真撮影を頼む 誰が原稿を書くか、今ある資料を使えるか
デザインの作り込み 独自のレイアウトや動き、案を何度も出し直す 参考にしたいサイト、修正の回数
会員ページ・ログイン 会員ごとにログインし、退会・未納の方は見られなくする 誰に何を見せるか、名簿をどこで管理しているか
動画配信 会員限定の講義動画、ウェビナー 本数、だれが見られるか、動画をどこに置くか
申込フォーム・決済 参加費・会費のカード決済、自動返信、名簿への記録 申込の種類、決済が必要か
多言語 英語のページ、海外の会員向けの案内 どのページを訳すか、翻訳を誰がするか
更新の仕組み(CMS) 事務局がお知らせを自分で更新できる管理画面 更新の頻度と、更新する担当の方
公開後の保守・サーバー・ドメイン 更新の代行、不具合への対応、部品の更新 公開後に何を任せたいか

原稿と写真を誰が用意するか

意外と見落とされるのが、原稿と写真です。一般に、制作会社が原稿を書いたり写真を撮ったりすると、そのぶん作業が増えます。逆に事務局で用意すれば費用はおさえやすいものの、原稿がそろわないと公開が遅れがちです。会則、入会案内、学術集会のプログラム、過去のチラシなど、今ある文書をそのまま渡せるかを確認しておきましょう。

会員ページ・動画・申込・決済は「名簿とのつなぎ方」で変わる

機能を足すと費用は増えますが、差が大きく出るのは機能そのものより「名簿とどうつなぐか」です。たとえば会員ページを、全員共通のパスワードで守るのか、名簿をもとに見られる人を決めるのか。後者は作る量が増えますが、退会・未納の方の扱いを毎回手作業でしなくて済みます。

当社の実績では、JIPの公式ホームページで、名簿のスプレッドシートから会員一覧(約250名)をサイトへ自動で反映し、会員だけが見られる講義動画のページと、申込フォーム(申込者への自動返信と、事務局へのお知らせ)を作りました。入会・ログイン・ウェビナー/動画講義までをひとつの流れにした例は、CSAC Doctors Clubです。会員ページや動画配信の進め方は、会員制サイト・動画配信のページにまとめています。

多言語は「どこまで訳すか」で決まる

英語のページを用意する場合、どのページを訳すか、翻訳を誰がするか、専門用語の確認を誰がするかで作業が変わります。最初は団体の紹介と学術集会の案内だけを英語にする、という始め方もあります。

更新の仕組み(CMS)は、更新の頻度で選ぶ

CMS(管理画面から、お知らせなどを自分で更新できる仕組み)を入れると、初期費用はかかりやすい一方、更新のたびに業者へ頼む手間と待ち時間が減ります。更新が年に数回なら、更新は依頼する形の方が合うこともあります。会員一覧のように名簿と同じ情報なら、名簿の表を直すとホームページが更新される仕組みにする方法もあります。

初期費用と、毎月・毎年の費用を分けて考える

見積もりでは、一度だけかかる費用と、かかり続ける費用を分けて見ます。

区分 主な中身 確認したいこと
初期費用 設計・デザイン・制作、原稿・写真、機能づくり、古いサイトからの移し替え 何が含まれ、何が別料金か
毎月・毎年の費用 サーバー、ドメイン、保守・更新代行、動画配信や会員管理などのサービス利用料 どこに払い、誰の名義で契約するか
使った分だけかかる費用 カード決済の手数料、メールの配信など 一般に、決済サービスへの手数料は取引ごとにかかります

初期費用がおさえられていても、毎月の費用が高ければ、数年使うと合計は逆転することがあります。ホームページは何年も使うものなので、「何年使うつもりか」を決めて、その期間の合計で比べるのがおすすめです。

見積もりに出てこない「隠れた費用」

見積書に書かれていないけれど、あとからかかりやすいものです。気になる項目は、契約の前に質問しておきましょう。

  • ドメイン・サーバーの更新費(毎年・毎月)
  • 有料のテーマやプラグイン(見た目や機能を足す部品)のライセンスの更新
  • デザインの修正が、決められた回数を超えたときの追加料金
  • 公開後の小さな修正(文字の差し替え1か所など)の料金
  • 古いサイトからの記事や名簿の移し替え
  • 動画を置くサービス、会員管理サービス、決済サービスの利用料・手数料
  • 事務局の時間(原稿づくり、確認、更新のたびの依頼)
  • 制作会社を変えるとき・契約をやめるときの、データやドメインの引き継ぎ

特に最後の項目は大切です。ドメインやサーバー、各サービスのアカウントが制作会社の名義だと、引き継ぎに手間や費用がかかることがあります。当社では、データはすべて団体様のアカウントに残し、契約が終わってもそのままお使いいただける形にしています。

費用をおさえる3つの方法

1. 段階的に作る

最初は、活動内容、役員、学術集会の案内、入会案内、問い合わせ先など、公式の情報だけで公開します。会員ページ・動画・決済は、必要になってから足します。その場合は、最初の設計の段階で「あとから会員ページを足せる形になっているか」を確認しておくと、作り直しを避けられます。

2. 今ある表やツールを活かす

Excelやスプレッドシートの名簿、今の振込の方法、いつものメール。これらを新しいシステムに乗り換えると、データの移し替えと、慣れるまでの時間がかかります。今のやり方を活かして必要なところだけをつなぐ方が、作る量も事務局の負担も小さくなることが多いです。当社も、今お使いの表やサービスをできるだけそのまま活かす方針で進めています。

3. 既製のサービスで足りるなら使う

会員管理、イベントの申込、動画配信には、既製のサービスもあります。要件が合えば、一から作るより早く始められることが多いです。当社でも、既製のサービスの方が合う場合は正直におすすめし、導入をお手伝いします。無料のツールで足りる場合も、そのようにお伝えします。

制作会社に聞いておきたい10の質問

見積もりをもらったら、次の質問で中身を確かめます。答えを比べると、会社ごとの違いが見えてきます。

  1. 見積もりに含まれる作業と、含まれない作業は何ですか
  2. 原稿・写真はどこまで用意してもらえますか。こちらで用意するものは何ですか
  3. デザインの修正は何回まで含まれますか
  4. 公開後、事務局で更新できるのはどこですか。更新を頼むときの費用はどうなりますか
  5. 毎月・毎年かかる費用は何で、どこに払いますか
  6. ドメイン・サーバー・各サービスのアカウントは、誰の名義になりますか
  7. 会員の個人情報はどこに保存され、誰が見られますか
  8. 会員ページや決済を、あとから足すことはできますか
  9. 契約をやめるとき、データやドメインは引き継げますか
  10. 似た団体の実績や、実際に動いている画面を見せてもらえますか

10番目は、完成のイメージをそろえるのに役立ちます。当社では、研究会の公式サイトを想定した提案用のデモサイトも公開しています(団体と掲載内容は架空のものです)。

見積もり比較表のテンプレート

複数の会社から見積もりをもらうときは、まず全社に同じ「依頼メモ」を渡します。メモには、団体の概要、載せたいページ、必要な機能、更新の頻度と担当の方、公開したい時期、今使っている道具(名簿の表、メール、振込の方法など)を書いておきます。条件がそろっていれば、返ってきた見積もりを次の表に書き写すだけで比べられます。

項目 A社 B社 C社
初期費用の合計
含まれるページ数
原稿・写真の用意
デザインの修正回数
会員ページ・ログイン
動画配信
申込フォーム・決済
多言語
更新の仕組み(CMS)
古いサイトからの移し替え
毎月・毎年の費用
決済などの手数料
保守の範囲
ドメイン・アカウントの名義
契約をやめるときの引き継ぎ
公開までの進め方

空欄が残った項目は「含まれていない」のか「聞いていない」のかを確かめましょう。金額の合計より、空欄の数と中身の方が、比べるうえで大事な手がかりになります。

見積もりの前に「何が要るか」を整理する

費用の話で迷ったときは、いきなり見積もりを集めるより、事務局の今の手間を書き出すところから始めるのがおすすめです。名簿への書き写し、振込の照合、案内メールの宛先の抜き出しなど、どこに時間がかかっているかがわかれば、ホームページに入れるべき機能と、入れなくてよい機能が見えてきます。ホームページ制作の進め方はホームページ制作のページで紹介しています。

当社では、学会・研究会の事務局向けに、今の事務作業を聞き取って「手間の地図」を1枚にまとめる、オンライン45分の棚卸し診断をご用意しています。「うちの場合はどこから手をつければよいか」を整理したいときに、ご活用ください。

よくある質問

研究会のホームページの費用は、相場で考えてよいですか?

必要な機能や、原稿・写真を誰が用意するか、公開後の更新を誰が担うかで大きく変わるため、相場だけで考えるのはおすすめしません。まず「何を載せ、何ができるようにしたいか」を書き出し、同じ条件で見積もりを頼むと比べやすくなります。

見積もりの金額が会社ごとに大きく違うのはなぜですか?

多くの場合、見積もりに含まれている作業の範囲が違うためです。原稿づくり、写真、会員ページ、公開後の保守、サーバー・ドメインの費用が入っているかを、項目ごとにそろえて比べてください。

費用をおさえる方法はありますか?

最初は必要なページだけで公開し、会員ページや決済はあとから足す「段階的な作り方」が一般に有効です。今お使いの名簿の表や既製のサービスで足りる部分は、そのまま活かすと作る量を減らせます。

公開したあとにも費用はかかりますか?

一般に、サーバー(ホームページのデータを置く場所)やドメイン(ホームページの住所)の費用は、毎月または毎年かかります。保守や更新の代行、動画配信や決済のサービスを使う場合は、その利用料や手数料もかかることがあります。

River Techにはホームページ制作の料金表がありますか?

ページの数や機能、運用の範囲によって変わるため、一律の料金表は載せていません。お話をうかがったうえで、お見積りをお出しします。

ホームページのご相談

作り直しも、部分的な見直しも承ります。

今のサイトのどこから手をつけるとよいか、一緒に整理するところから始められます。学会・研究会のサイトは、改善案を1枚にまとめてお渡しすることもできます。