学会の入会申込フォームに入れる項目|会員区分・推薦者・入会審査
学会・研究会の入会申込フォームは、項目を増やすほど丁寧に見えますが、入会のあとに使わない項目は、申し込む方にも事務局にも負担になります。この記事では、入会申込フォームに入れる項目を「必ず聞く」「場合による」「聞かない方がよい」に分け、会員区分・推薦者・入会審査の扱い方と、名簿の列と項目を合わせるコツをまとめます。
このテーマのご案内:学会・研究会の事務局の方へ(事務局の仕組みづくり)
結論:フォームの項目は「名簿の列」から逆算する
先に結論をまとめます。
- 項目は、名簿(会員の一覧表)の列から決める。 名簿に列がない項目は、聞いても使われないことが多いです
- 会員区分は、申し込む方が迷わない言葉で選ばせる。 区分ごとの条件と会費の違いを、選択肢のすぐ横に書きます
- 推薦者は「氏名を書いてもらい、事務局から確認する」形にする。 推薦者に申込書を回してもらう流れより、行き来が減ります
- 入会審査は「受付→確認→承認→お知らせ」の4段階で、状態を名簿に残す。 今どこで止まっているかが、誰にでもわかるようにします
- 聞かない方がよい項目を決める。 使わない個人情報は、預からないのがいちばん安全です
項目は3つに分けて考える
入会申込フォームの項目は、次の3つに分けると決めやすくなります。
| 分け方 | 項目の例 | 考え方 |
|---|---|---|
| 必ず聞く | 氏名、ふりがな、所属(勤務先)、連絡用のメールアドレス、電話、会員区分、個人情報の扱いへの同意 | 会員として連絡し、名簿に載せるのに最低限必要なもの |
| 場合による | 郵送先の住所、資格・免許の種類と取得年、専門分野、推薦者、学生証などの確認書類、会誌の受け取り方 | 会則や、郵送・資格確認をしているかで決まるもの |
| 聞かない方がよい | 使い道の決まっていない生年月日、自宅と勤務先の両方の詳しい住所、カード番号、顔写真 | 使わない情報は、預かるだけで管理の負担と心配が増える |
「場合による」の項目は、入れる前に「入会後、誰が、何のために使うか」を一言で言えるかを確かめます。言えない項目は、今は入れないと決めて構いません。
必ず聞く項目で気をつけること
- ふりがな:五十音順の会員一覧や、宛名を作るときに使います。ひらがなかカタカナかを決めて、例を書いておきます
- 所属:勤務先が変わる方が多いので、「入会時の所属」として受け、変わったら知らせてもらう案内を自動返信に入れます
- メールアドレス:会費の支払いに使うアドレスと、お知らせを受け取るアドレスが違う方もいます。必要なら「連絡用」と書いて、どちらのアドレスかをはっきりさせます
- 電話:郵送や宅配便を使う会では、伝票に電話番号が要ることがあります。郵送をする会なら、必須にしておくと後で困りません
会員区分の選ばせ方
正会員・準会員・学生会員・賛助会員など、区分がいくつもある会では、申し込む方が区分を選び間違えることがよくあります。次のように書くと迷いが減ります。
| 工夫 | 例 |
|---|---|
| 区分の名前のすぐ横に条件を書く | 「学生会員(大学・専門学校に在籍中の方。在籍の確認書類が必要です)」 |
| 会費の違いは、会費の案内ページへのリンクで示す | 金額をフォームに直接書くと、改定のときに直し忘れが起きやすい |
| 迷ったときの選び方を書く | 「どれに当たるかわからない場合は、正会員を選び、備考欄にご記入ください」 |
| 区分によって追加の項目を出す | 学生会員を選んだ方にだけ、在籍先と卒業予定年を聞く |
区分の名前は、会則・名簿・フォーム・会費の案内で同じ言葉にそろえます。フォームでは「一般会員」、名簿では「正会員」のように呼び方が違うと、書き写しのたびに置き換えが必要になります。
推薦者の確認をオンラインにするには
入会に推薦者が必要な会では、「申込者が推薦者にお願いする→推薦者が申込書に署名する→事務局へ送る」という流れが多く見られます。紙のままだと、申込書が人の間を行き来するうちに止まってしまうことがあります。
オンラインにする場合は、次の流れが一般的です。
- 申込者がフォームに推薦者の氏名(と、わかれば所属)を入れる
- 事務局が名簿で、推薦者が現在の会員かを確かめる
- 事務局から推薦者へ、「○○様から推薦者としてお名前が挙がっています。ご推薦でよろしいでしょうか」と確認の連絡をする
- 推薦者の返事を受けて、名簿の「推薦の確認」の列に日付を入れる
推薦者の署名や押印が会則で決まっている場合は、オンラインにしてよいかを役員会で確かめてから切り替えてください。
入会審査の流れを名簿に残す
理事会や役員会での承認が必要な会では、申込を受けてから入会が決まるまでに時間がかかります。その間に「申込は届いていますか」「いつ会員になれますか」という問い合わせが増えます。
名簿や申込の一覧表に「状態」の列を1本つくり、次の4つのどれかを入れておくと、事務局の誰が見ても今の段階がわかります。
| 状態 | 意味 | 事務局がすること |
|---|---|---|
| 受付 | フォームが届いた | 受付の自動返信が届いているかを確かめる |
| 確認中 | 推薦者・書類・会費を確かめている | 足りないものがあれば申込者へ連絡する |
| 承認待ち | 役員会にかける準備ができた | 次の役員会の日付を一覧に書く |
| 入会 | 承認された | 会員番号を決め、入会のお知らせと会費の案内を送る |
不承認や取り下げになった方は、状態を「不承認」「取り下げ」にして、会員の名簿とは分けて扱います。会員の一覧や案内メールの宛先に混ざらないようにするためです。「誰が会員か」をどこで決めるかの考え方は、学会の会員管理システムの選び方 にまとめています。
名簿の列とフォームの項目を合わせるコツ
フォームの回答が届いたあと、名簿へ書き写す作業が残っている事務局は多くあります。書き写しを減らすには、フォームの項目と名簿の列を合わせることが近道です。
- 項目の順番を、名簿の列の順番にそろえる
- 選択肢の言葉を、名簿で使っている言葉と同じにする(「正会員」「学生会員」など)
- 姓と名を分けるかどうかを、名簿に合わせる
- フォームにしかない項目、名簿にしかない列を書き出す。 どちらかに寄せられないかを考えます
- 回答が1行=1人で並ぶ形にする。 メモや合計の行は、同じ表に入れません
フォームの回答を一覧表に直接ためて、受付の自動返信を送る方法は、スプレッドシートの自動化入門 で紹介しています。支払いまで含めたオンライン受付の選び方は、入会申込と会費・参加費をオンラインで受け付ける方法 をご覧ください。
個人情報の扱いへの同意と、自動返信に書くこと
フォームの最後には、個人情報の扱い(何に使うか、誰が見るか、会員一覧に載る項目はどれか)を書いたページへのリンクと、同意のチェック欄を置くのが一般的です。会員一覧をホームページに載せる会では、「載せる項目」と「載せてよいかの確認」をここで聞いておくと、後で一人ずつ聞き直す手間が減ります。個人情報の扱いは団体ごとに事情が違うため、書き方は個人情報保護委員会の案内を確かめるか、専門家に相談してください。
申込のあとに送る自動返信には、次のことを書いておくと問い合わせが減ります。
- 受け付けた内容(区分・氏名・所属など)
- このあとの流れ(推薦者の確認、役員会の時期、入会が決まったときの連絡方法)
- 会費の払い方と、払うタイミング(承認の前か後か)
- 内容に誤りがあったときの連絡先(事務局のページへのリンク)
自分の会で確かめる3つの質問
- 今の申込書の項目のうち、入会後に一度も使っていないものはありますか
- 申込書の会員区分の呼び方は、名簿や会則と同じ言葉になっていますか
- 申込から入会が決まるまでの間、「今どの段階か」を事務局の誰でも答えられますか
どれか1つでも答えに迷うなら、フォームを作る前に、今の申込書・名簿・入会の流れを並べて見直すと、作り直しが少なくて済みます。River Techでは、学会・研究会の事務局向けに、入会の申込から名簿・会費の確認までのつながりを見直すお手伝いをしています。今の申込書と名簿を見ながら、どこで書き写しや行き来が起きているかを「手間の地図」1枚にまとめる棚卸し診断(オンライン45分・15,000円(税込))は、学会・研究会の事務局向けのご案内 から詳しくご覧いただけます。
よくある質問
入会申込フォームの項目は、いくつくらいが目安ですか?
決まった数はありませんが、事務局が入会後に実際に使う項目だけに絞るのが基本です。多くの場合、氏名・ふりがな・所属・連絡先・会員区分・同意の確認で足ります。「いつか使うかもしれない」項目は入れず、必要になったときに会員の方へ改めて聞く方が安全です。
推薦者の署名や押印は、オンラインの申込ではどうすればよいですか?
推薦者の氏名をフォームに入れてもらい、事務局から推薦者へ確認の連絡をする形が一般的です。署名や押印が会則で決まっている場合は、会則の改正が要るかどうかを役員会で確かめてから、オンラインに切り替えてください。
紙の申込書とオンラインのフォームを、しばらく両方受け付けてもよいですか?
問題が起きにくいのは、両方を受け付けつつ、届いた内容を同じ一覧表に同じ形で入れる運用です。紙の申込書の項目とフォームの項目を同じ並びにしておくと、書き写しのときに迷いません。
入会審査で不承認になった方の情報は、どうすればよいですか?
入会しなかった方の情報を、会員の名簿に混ぜないことが大切です。どのくらいの期間残してから消すかは、会のプライバシーポリシーや役員会で決めておき、その決まりに沿って扱ってください。