学会・研究会の入会申込と会費・参加費をオンラインで受け付ける方法

学会・研究会の事務局公開 River Tech合同会社

学会・研究会の入会申込、年会費、研修会や学術集会の参加費は、すべてを一度に変えなくても、少しずつオンラインに移せます。この記事では、事務局の方向けに、受け付け方の3つの選び方、事務局の作業がどう変わるか、始める前に決めること、気をつけること、小さく始める手順をまとめます。

結論:まず「申込」をオンラインに、決済はそのあとで

先に結論をまとめます。

  1. 最初は申込だけをオンラインにする。 支払いは振込のままでも、メールからの書き写しがなくなるだけで手間は減ります
  2. カード決済は、1回の研修会の参加費など、小さな範囲で試す。 年会費や自動引き落としは、そのあとで考えます
  3. 支払いの記録は、名簿や申込の表に残す。 決済サービスの画面と名簿を見比べる作業を、新しく増やさないためです
  4. 始める前に、金額の種類・領収書・返金・退会のときの扱いを決める
  5. 手数料や条件は、各決済サービスの案内で確かめる。 サービスごとに違い、変わることもあります

受け付け方は大きく3つ

オンラインでの受け付け方は、大きく分けて次の3つです。どれが正解ということはなく、団体の規模や、今の名簿のつくり方で合うものが変わります。

受け付け方 しくみ 事務局の手間 向いている場合 気をつけること
申込だけオンライン(支払いは振込) フォームで申し込み、振込先を案内する 申込の書き写しは減る。入金の照らし合わせは残る まず書き写しを減らしたい、会員にカードを使わない方が多い 振込名義と会員名が合わないことがある
決済サービスの支払いリンク 決済サービスでつくった支払いページのリンクを、案内メールや申込のあとに載せる 準備は少なめ。決済の記録と名簿をそろえる作業が残る 研修会の参加費など、回ごとにお金を受け取りたい 申込と支払いが別々になり、どちらか一方だけの方が出やすい
サイトや申込の流れの中で決済 申込から支払いまでを1つの流れにし、結果を名簿や表に記録する 最初に設計と制作が必要。その後は記録を確かめるだけ 申込や会費の件数が多い、未納の確認を楽にしたい 作った会社に頼りきりにならないよう、データの置き場所を決めておく

1. 申込だけオンライン(支払いは振込のまま)

いちばん始めやすい方法です。入会や研修会の申込をフォームで受け、回答を表に直接記録します。申込者には受付の自動返信を送り、その中で振込先と締め切りを案内します。

お金の流れは今と同じなので、会員の方にも説明しやすいのが良いところです。一方で、入金の照らし合わせは残ります。振込名義に会員番号を入れてもらうなど、照らし合わせを楽にする工夫は 名簿と会費管理はスプレッドシートのままで にまとめています。

2. 決済サービスの支払いリンク

多くのカード決済サービスには、支払いページをつくってリンクを発行する機能があります。そのリンクを案内メールやホームページに載せると、会員の方はそのページでカード番号を入力して支払います。カード番号は決済サービスの画面に入力されるため、事務局の表やメールには届かないのが一般的です。

ただし、申込は団体のフォーム、支払いは決済サービス、と2か所に分かれます。「申し込んだが払っていない方」「払ったが申込が見当たらない方」が出やすいので、支払いページで氏名や会員番号を入れてもらう、どの研修会の分かを決済の名目に書く、といった工夫が要ります。

3. サイトや申込の流れの中で決済

申込フォームから支払いまでを1つの流れにし、決済が終わったら名簿や申込の表に記録が残る形です。名簿に「支払い済み」が自動でつけば、未納の方の一覧も表の絞り込みで出せます。

業種は違いますが、River Techが制作した 海外向けネットショップ(2サイト) では、カード決済を組み込み、決済が完了すると注文の内容をスプレッドシートへ自動で記録し、決済の状況を確認できる画面も用意しています。学会・研究会でも、同じ考え方で「決済の結果を表に残す」形にできます。

入会・会費・参加登録をまとめて1つの既製サービスで扱いたい場合は、会員管理やイベント受付の既製サービスの方が合うこともあります。今の名簿を続けて使いたいか、名簿ごと移してよいかで考えると選びやすくなります。

事務局の作業はどう変わるか

オンラインにすると、なくなる作業と、新しく増える作業があります。増える方も先に知っておくと、あとで慌てずにすみます。

作業 振込だけのとき カード決済を入れたとき
入金の確認 通帳や明細と名簿を1件ずつ見比べる 決済の記録を確かめる。名簿に自動で記録する形なら、確かめるだけになる
領収書 求められたら事務局がつくって送る 決済サービスの決済完了メールや領収書の機能で足りるかを確かめる
未納の方への連絡 名簿から未納の方を探して連絡する 自動引き落としの場合、カードの期限切れなどで決済できなかった方への連絡が新しく増える
退会 名簿に退会日を入れる 自動引き落としの場合、引き落としを止める手続きも要る
返金・キャンセル 振込で返す 多くの場合、決済サービスの管理画面から返金する
お金の受け取り 振込がそのまま口座に入る 決済サービスから、決まった日に団体の口座へまとめて入る(日数はサービスによる)

特に気をつけたいのは、自動引き落とし(毎年・毎月の自動の決済)を使う場合の退会です。名簿で退会にしても、決済サービス側の引き落としを止め忘れると、退会した方からお金を受け取り続けることになります。退会の手順に「引き落としを止める」を必ず入れておきます。

会員ページを名簿とつないでいる場合は、未納や退会がそのまま会員ページを見られる人にも関わります。その考え方は 会員限定ページを作る方法と選び方 で紹介しています。

始める前に決めておくこと

仕組みを選ぶ前に、次のことを事務局で決めておくと、あとで作り直す手間が減ります。

  • 何の支払いか:入会金、年会費、研修会や学術集会の参加費、懇親会費など
  • 金額の種類:正会員・学生会員・非会員、早期申込と通常申込など、金額がいくつあるか
  • 会費の期間:年度ごとか、入会した日から1年か。途中で入会した方の扱い
  • 支払い方法:カードだけか、振込と併用か(多くの場合は併用です)
  • お金を受け取る口座:個人ではなく、団体の名義の口座にできるか
  • 領収書:決済サービスのメールで足りるか、団体名の入った領収書を別に出すか
  • キャンセルと返金:締め切り日、返金するかどうか、返金するときの手数料の扱い
  • 確認する人:決済の記録を、誰が、いつ確かめるか

気をつけること

個人情報

申込フォームでは、名簿や受付に本当に必要な項目だけを聞きます。生年月日や自宅住所など、使わない項目は聞かない方が安全です。カード番号を、メールや団体の申込フォームで聞くことは避けてください。申込の表を共有する相手は、事務局の方だけに絞ります。

決済サービスの規約と条件

決済サービスには、申し込みのときの審査や、扱えるものの決まり、ホームページに載せる表示のお願いなどがある場合があります。任意団体の場合は、法人でないと申し込めない、代表者の名前で登録する、といった条件がつくこともあります。手数料、入金までの日数、領収書や返金の機能も含めて、各サービスの案内で確かめてください。会計や税金の扱いが気になる場合は、会計を担当する方や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

返金

参加費は、開催の中止や体調不良などで返金が必要になることがあります。サービスによっては、返金しても手数料が戻らないことがあります。キャンセルの締め切りと返金の扱いを、申込ページと自動返信の両方に書いておくと、問い合わせも減らせます。

小さく始める手順

全部を一度に変えず、次の順で進めるのがおすすめです。

  1. 申込をフォームにする。 入会や次の研修会の申込を、フォームから表へ直接入れる形にします。支払いは振込のままで大丈夫です
  2. 自動返信を整える。 受付の内容、金額、振込先、締め切り、キャンセルの扱いを書いた自動返信を送ります。River Techが制作した JIP 公式ホームページ の申込フォームでも、申込者への自動返信と、事務局へのお知らせを備えています
  3. 1回の研修会で、カード決済を試す。 参加費だけを対象に、振込と併用で始めます
  4. 決済の記録を表に残す。 支払った方が、申込の表で「支払い済み」とわかるようにします
  5. 振り返ってから広げる。 照らし合わせや問い合わせがどう変わったかを確かめ、年会費や入会金、自動引き落としへ広げるかを決めます

学会・研究会の事務局向けには、学術集会・研修会の申込から参加費の決済まで、会費のカード決済・入金の確認・未納の方の一覧までを、今の名簿を活かしてつなぐ仕組みづくりを 事務局向けのご案内 で紹介しています。入会からログイン、ウェビナー・動画講義までを1つの流れにした例としては、CSAC Doctors Club もご覧いただけます。

よくある質問

カード決済にしたら、銀行振込はやめないといけませんか?

やめる必要はありません。カードを使わない会員の方や、所属先から支払う方もいるため、多くの場合は振込と併用します。その場合は、どちらで払ったかを名簿や申込の表に同じ形で残すと、確認の手間が増えにくくなります。

任意団体の研究会でも、カード決済サービスを使えますか?

サービスによって条件が違います。法人でないと申し込めないもの、代表者の名前で登録するもの、審査があるものなどがあります。手数料や入金までの日数とあわせて、各サービスの案内で確かめてください。

カード決済の領収書は、どう出せばよいですか?

決済サービスによっては、支払った方へ決済完了のメールや領収書を送る機能があります。それで足りるか、団体名の入った領収書を別に出すかは、会員の方の経理の事情や団体の会計の扱いによります。必要な場合は、会計を担当する方や税理士などの専門家に確認してください。

参加費を返金するときは、どうなりますか?

カードで受け取った参加費は、多くの場合、決済サービスの管理画面から返金の手続きをします。返金しても手数料が戻らないサービスもあるため、キャンセルの締め切りや返金の扱いを、申込ページに先に書いておくことが大切です。

会員のカード番号を、事務局が預かることになりますか?

決済サービスの支払いページを使う形なら、カード番号は決済サービスの画面に入力され、事務局の表やメールには届かないのが一般的です。メールや申込フォームでカード番号を聞くことは、避けてください。

学会・研究会の事務局の方へ

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