学会の会員ページのログインで困らないために|パスワード忘れと問い合わせ

学会・研究会の事務局公開 River Tech合同会社

学会や研究会の会員ページを始めると、事務局にはログインの問い合わせが届くようになります。この記事では、よく届く問い合わせとその原因、問い合わせが減るログインの作り方(本人確認の選び方・パスワード再設定の流れ・名簿との合わせ方・案内文)、そのまま使える返信のひな形、会員の方の操作を疑う前に確かめることを順番にまとめます。

このテーマのご案内:学会・研究会の事務局の方へ(事務局の仕組みづくり)

結論:問い合わせの多くは「名簿」と「案内」で減らせる

ログインの問い合わせは、会員の方の操作ミスよりも、次の3つのどれかが原因であることが多いです。

  1. 名簿と会員ページの状態がずれている(入会・再入会・入金が、まだ会員ページに反映されていない)
  2. 登録したメールアドレスがわからない・変わった(入会時のアドレスと、今使っているアドレスが違う)
  3. 案内が足りない(どこからログインするか、パスワードを忘れたらどうするか、どこに問い合わせるかが書かれていない)

ですから、問い合わせを減らす近道は、ログインの方法を凝ることより、名簿の状態と見られる人をそろえることと、会員の方が自分で解決できる案内を先に出しておくことです。

事務局によく届く5つの問い合わせ

会員ページの種類にかかわらず、届く問い合わせはおおむね次の5つに分けられます。

問い合わせ よくある原因 事務局が最初に確かめること
ログインできない 入会・入金がまだ反映されていない。入れているメールアドレスが登録と違う。パスワードの入力ミス 名簿の状態、会員ページへの反映、登録されているメールアドレス
パスワードを忘れた 年に数回しか入らないので覚えていない 再設定の画面があるか、再設定のメールが届いているか
メールアドレスが変わった 異動・転職・開業で、入会時のアドレスが使えなくなった ご本人かどうかの確認方法、名簿と会員ページの両方を直す手順
スマホのGoogleログインで入れない LINEやメールのアプリの中でページを開いている。登録とは別のGoogleアカウントを選んでいる どのアプリで開いたか、どのアカウントを選んだか
再入会した・会費を払ったのに見られない 入金の確認待ち。会員ページへの反映が数時間〜数日後。決済に使ったアドレスが登録と違う 入金の確認日、名簿の状態を直した日、決済に使ったアドレス

一般に、年度の初め(会費の請求・入金の時期)と、学術集会や講演の録画を公開した直後に、問い合わせがまとまって届きます。この時期の前に、案内文と手順を見直しておくと楽になります。

スマホのGoogleログインで入れないとき

「Googleで続ける」のように、Googleなどのアカウントで入る方式は、パスワードを覚えなくてよいのが良いところです。一方で、スマホでは次のようなつまずきが起きやすくなります。

  • LINEやメールのアプリの中でリンクを開くと、そのアプリの中の画面(アプリ内ブラウザ)で開きます。この画面では、Googleのログインがうまく動かないことがあります
  • 仕事用と個人用など、Googleのアカウントを複数持っている方が、入会時とは別のアカウントを選んでしまう
  • ログインの小さな画面(ポップアップ)が、スマホの設定で開かないことがある

案内文に「SafariやChromeなどのブラウザで開いてください」「入会時に登録したアカウントを選んでください」と一言書いておくだけで、問い合わせはかなり減ります。

問い合わせが減るログインの作り方

本人確認の方法の選び方

会員ページに入るときの本人確認(その人が会員本人かを確かめる方法)には、いくつかの形があります。どれが優れているということではなく、載せるものと会員の方の使い方で選びます。

方法 会員の手間 起きやすい問い合わせ 向いている場合
全員共通のパスワード 少ない 「パスワードがわからない」。退会者も入れたまま 外に出ても大きな問題にならない資料が中心
メールアドレスとパスワード パスワードを覚える必要がある 「パスワードを忘れた」が最も多い 会員ごとに入れる人を分けたい
メールで届くログイン用のリンク 毎回メールを開く 「メールが届かない」「迷惑メールに入った」 年に数回しか入らない会員が多い
Googleなどのアカウントでログイン 少ない 「スマホで入れない」「別のアカウントを選んだ」 会員の多くがそのアカウントを使っている
名簿の項目で照合(会員番号と生年月日など) 覚えるものが少ない 「名簿に登録が無くて入れない」 名簿の項目がそろっていて、資料の閲覧が中心

選ぶときは、次の2点を確かめておきます。

  • 年に何回入るか。 年に数回しか入らない会員が多いなら、パスワードを覚えてもらう方式は「忘れた」の問い合わせが増えます
  • 名簿にその項目がそろっているか。 名簿の項目で照合する方式は、項目が空欄の会員が入れません。空欄の方には「事務局へご連絡ください」と画面に出るようにしておきます

会員ページの作り方そのものの比べ方は、学会・研究会のホームページに会員限定ページを作る方法と選び方でまとめています。

パスワード再設定の流れ

パスワードを使う方式なら、会員の方が自分で再設定できる流れを必ず用意します。事務局がパスワードを調べて教える形にすると、問い合わせのたびに事務局の手が止まります。

  1. ログイン画面に「パスワードをお忘れの方」のリンクを置く
  2. 会員の方が、登録したメールアドレスを入れる
  3. 再設定用のリンクがメールで届く(リンクは一定の時間で使えなくなるようにする)
  4. 会員の方が新しいパスワードを決める
  5. 「パスワードを変更しました」というお知らせのメールが届く

あわせて、次のことも決めておきます。

  • メールが届かないときの案内。 迷惑メールのフォルダ、受信を許可する設定、登録したアドレスの確認を、再設定の画面に書いておく
  • 画面の言い方。 「このアドレスは登録されていません」と表示すると、誰が会員かを外から調べられてしまいます。「登録があれば、再設定のメールをお送りしました」のように、どちらでも同じ言い方にするのが一般的です
  • 事務局はパスワードを持たない。 パスワードをメールやチャットで送ることはしない、と決めておきます

名簿の状態と「見られる人」を合わせる

「払ったのに見られない」「退会したのにまだ見られる」は、名簿と会員ページを別々に直していると起きます。次の点を決めておくと、問い合わせが減るだけでなく、答えるのも早くなります。

  • 「誰が会員か」を決める名簿を1つにする(正本=いつも正しいとみなす元の記録)
  • いつから見られるか(入会の申込のときか、入金を確かめたあとか)
  • いつ見られなくなるか(退会の届けの日か、年度末か、未納が続いたときか)
  • 名簿を直してから、会員ページに反映されるまでの時間(すぐか、数時間後か、事務局が作業した日か)
  • 決済に使ったメールアドレスを、連絡用のアドレスとは別の列で名簿に残す

反映までの時間を案内文に書いておくと、「払ったのに見られない」の多くは問い合わせになる前に解決します。正本の決め方や、退会・休会・未納の表し方は、学会の会員管理システムの選び方で詳しく扱っています。決済の記録と名簿が合わない原因は、学会の年会費の入金確認もご覧ください。

案内文と問い合わせ窓口

会員の方が自分で解決できるよう、次の3か所に案内を置きます。

  • [ ] 入会・入金の完了メールに、会員ページのアドレス、ログインの方法、見られるようになるまでの時間を書いている
  • [ ] ログイン画面に、パスワードを忘れたときのリンク、スマホではブラウザで開くこと、問い合わせ先を書いている
  • [ ] 会員ページの入口のページに「よくある質問」として、この記事の5つの問い合わせへの答えを載せている
  • [ ] 問い合わせの窓口が1つにまとまっていて、担当者が替わっても同じ窓口で受けられる
  • [ ] 問い合わせのフォームで聞く項目が決まっている

問い合わせのフォームで聞いておくと、やり取りが1往復で済みやすい項目は次のとおりです。

  • 氏名と会員番号(わかれば)
  • 入会時に登録したと思われるメールアドレス
  • 使っている機器(スマホ・パソコン)と、開いているアプリやブラウザ
  • 画面に出た表示(文言をそのまま、または画面の写真)
  • いつ入会・入金したか

パスワードそのものは、フォームでもメールでも聞かないようにします。

返信のひな形(事務局用)

よく届く問い合わせへの返信は、あらかじめ型を作っておくと、担当者が替わっても同じ品質で答えられます。〇〇の部分を会の内容に合わせて書き換えてお使いください。

問い合わせ 返信の要点 書き出しの例
ログインできない 名簿で確かめた結果を先に伝え、次にしてほしいことを1つだけ書く 「名簿を確認しましたところ、〇〇様は会員として登録されています。ログインの際は、入会時にご登録の〇〇宛てのメールアドレスをお使いください」
パスワードを忘れた 再設定の画面の場所と、メールが届かないときの確かめ方 「ログイン画面の『パスワードをお忘れの方』から、新しいパスワードを設定いただけます。メールが届かない場合は、迷惑メールのフォルダもご確認ください」
メールアドレスが変わった ご本人の確認のために聞くことと、切り替わる時期 「ご本人確認のため、会員番号と、入会時にご登録の勤務先をお知らせください。確認でき次第、〇日以内に新しいアドレスへ切り替えます」
スマホのGoogleログインで入れない ブラウザで開き直すことと、登録したアカウントを選ぶこと 「LINEやメールのアプリから開くと、ログインできない場合があります。お手数ですが、SafariやChromeで会員ページを開き、入会時にお使いのGoogleアカウントを選んでください」
再入会・会費を払ったのに見られない 入金の確認状況と、見られるようになる日 「〇月〇日のご入金を確認いたしました。会員ページには〇〇までに反映されます。反映後もご覧になれない場合は、お手数ですが再度ご連絡ください」

返信では、他の会員の方の情報や、名簿の中身を書かないように気をつけます。メールアドレスを伝えるときも、全部ではなく一部を伏せて書く会もあります。

会員の方の操作を疑う前に確かめること

「ログインできない」と言われると、会員の方の入力ミスを疑いたくなります。ですが、事務局側の原因であることも少なくありません。返信する前に、次の順で確かめると原因を見つけやすくなります。

  1. 名簿の状態。 その方は「会員」になっているか。退会・未納・休会の印が付いていないか
  2. 会員ページへの反映。 名簿を直したあと、会員ページに反映されたか。反映までの時間が過ぎているか
  3. 登録されているメールアドレス。 名簿と会員ページのアドレスが同じか。決済に使ったアドレスと違わないか
  4. 事務局のテスト用の会員で入れるか。 事務局用に会員と同じ条件のアカウントを1つ用意しておき、同じ手順で入れるかを試す
  5. 同じ問い合わせが続いていないか。 同じ日に複数の会員から届いていれば、個人の問題ではなく、会員ページ側の不具合や設定の変更が原因かもしれません
  6. 最近何かを変えていないか。 ページの移転、ログイン方法の変更、サーバーの更新、年度の切り替えのあとは問い合わせが増えやすい時期です

5や6に当てはまるときは、会員の方に操作をお願いする前に、ホームページを管理している担当者や制作会社に確かめてもらうのが近道です。問い合わせの日時と内容を簡単な一覧に残しておくと、原因を探すときの手がかりになります。

会員ページの問い合わせが多いときは、ログインの方法より先に、名簿から会員ページまでのどこで止まっているかを見直すと、手間が大きく減ることがあります。River Techの学会・研究会の事務局向けのご案内では、今の名簿・会費の受け付け・会員ページの流れをうかがい、どこで手が止まっているかを「手間の地図」1枚にまとめる棚卸し診断(オンライン45分・15,000円(税込))をご用意しています。会員ページの入口や案内文を見直したい場合は、ホームページの改善案としてまとめることもできます。

自分の会で確かめる3つの質問

  1. 先月入会・再入会した会員は、今日の時点で会員ページに入れますか? それを名簿だけで答えられますか?
  2. 「パスワードを忘れた」と言われたとき、事務局が何もしなくても会員の方が自分で再設定できますか?
  3. 入会の完了メールとログイン画面に、問い合わせ先と「スマホではブラウザで開く」の一言が書かれていますか?

1つでも答えに迷う項目があれば、そこが問い合わせの出どころになっている可能性があります。いちばん問い合わせの多いものから、ひとつずつ整えていきましょう。

よくある質問

会員からパスワードを聞かれたら、メールで教えてもよいですか?

事務局が今のパスワードを調べて教える形はおすすめしません。会員ご本人に再設定の画面から新しいパスワードを決めてもらう流れにし、事務局はパスワードを知らない状態にしておくと、受け渡しの手間も心配も減ります。

「ログインできない」と言われたとき、最初に何を確かめればよいですか?

まず名簿でその方が「会員」の状態になっているか、会員ページに反映済みかを確かめます。次に、会員ページに登録されているメールアドレスと、会員の方が入れているアドレスが同じかを確かめます。この2つで原因がわかることが多いです。

スマホでGoogleのアカウントを使ってログインできないと言われました。

LINEやメールのアプリの中でページを開いていると、Googleのログインがうまく動かないことがあります。SafariやChromeなどのブラウザで開き直してもらうこと、入会時に登録したのと同じGoogleのアカウントを選んでもらうことを、まず案内してください。

会費を払ったのに会員ページが見られないと言われたら、どうすればよいですか?

入金の確認と名簿への反映が済んでいるか、会員ページに反映されるまでの時間が過ぎているかを確かめます。決済に使ったメールアドレスと、会員ページのメールアドレスが違うと、払っていても会員として見つからないことがあります。

学会・研究会の事務局の方へ

今のやり方を活かして、事務局の手間をひとつずつ減らします。

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