学会事務局の業務効率化の事例|JIPの会員一覧を名簿と連動

医療系の学会・研究会公開 River Tech合同会社

歯科医師の会員制医療教育団体 JIP(Japan Implant Practice Society)の公式ホームページを、River Tech が作り直した事例です。名簿が変わるたびに業者へ頼んでいた会員一覧の更新を、名簿の表と連動する形に変え、事務局の担当の方が自分で回せるようにしました。JIP の了承をいただいて掲載しています。

このテーマのご案内:医療系・歯科系の学会・研究会の方へ

結論:名簿を「正本」にして、事務局が触る場所を1か所にした

JIP 公式ホームページの画面

この事例でやったことは、大きく3つです。

  1. 名簿の表を「正本」にした。 サイトの会員一覧は、名簿から自動で作られます。名簿を直せば一覧も変わり、退会や会費の未納は自動で外れます
  2. 事務局が触る場所を1か所にまとめた。 会員の掲載、医院のリンク、講義動画、お知らせは、すべて事務局の手元の表と管理画面で完結します
  3. 会員にとっての「入っている価値」を一覧に載せた。 会員一覧から、各先生の医院のサイトへリンクできるようにしました

以前の課題

作り直す前は、次のような状態でした。どれも、学会や研究会の事務局でよく聞くことです。

課題 困っていたこと
会員一覧の更新 名簿が変わるたびに、サイトの会員一覧を業者に更新してもらう必要があった
会員向けの動画 講義動画の管理や案内が、手作業になっていた
運用する人 更新するのは事務局の担当の方で、パソコンの専門家ではない
会員にとっての価値 会員一覧から各先生の医院へ案内し、所属していることを患者さんへの紹介にもつなげたい

最初に決めたのは、「事務局の担当の方が、業者に頼まずに使える形にする」という目標でした。機能を増やすことよりも、触る場所を少なくすることを優先しています。

やったこと1:名簿は読むだけ、サイト用の表を別に作る

会員の名簿は、事務局が日々使っている大きな表です。ここに直接手を入れると、ふだんの事務に影響が出かねません。そこで、もとの名簿は読むだけで書き換えないことにしました。

そのうえで、サイトに載せるための「管理用の表」を別に作り、列を2種類に分けています。

列の種類 入るもの 誰が触るか
自動の列 氏名、区分、会費の状態など、名簿から写されるもの だれも触らない(自動で更新)
手で入れる列 「掲載する」のチェック、医院のサイトのURL、区分の上書き、メモ 事務局

「掲載する」にチェックを入れた会員が一覧に載り、退会した方や会費が済んでいない方は、自動で一覧から外れます。名簿の変更は定期的にサイトへ反映され、急ぐときは「すぐ反映する」ボタンで反映できます。

これで、会員一覧(約250名)の更新を業者に頼む必要がなくなりました。 事務局の方が名簿を直すだけで、サイトの一覧が追いかけて変わります。

やったこと2:会員の医院へのリンクは「間違ったリンクより空欄」

会員一覧から各先生の医院のサイトへリンクするとき、いちばん避けたいのは、別の医院や古いページにつながってしまうことです。会員の先生にも、患者さんにも迷惑がかかります。

そこで、最初の登録では次の決まりにしました。

  • 医院名と所在地を、リンク先のページ上で確かめられたものだけを載せる
  • 予約サイトやSNSなどではなく、医院の公式サイトを載せる
  • 確かめられないものは、無理に埋めずに空欄にしておく

登録した後の変更は、事務局が管理用の表のURL欄を直すだけで反映されます。

やったこと3:会員限定の講義動画を、表に1行足すだけで

会員だけが見られる講義動画のページも作りました。会員本人であることを確かめてから入れるしくみで、確かめる処理はサイトの裏側(サーバー)で行い、ページに会員の情報が出ないようにしています。何度も間違えて入力された場合は、しばらく入れないようにする制限もかけています。

動画を追加するときは、管理用の表に1行足すだけです。動画のページを作り直す作業は要りません。

講義動画を会員だけに配信する方法そのものは、講演録画を会員限定で配信する方法 で比べています。

やったこと4:お知らせは事務局が書いて、すぐサイトへ

お知らせ(NEWS)は、事務局の方が記事の管理画面で書いて公開すると、1分ほどでサイトに反映されます。作り直しの途中では「毎日決まった時刻に反映」という案もありましたが、待つ理由がないので、公開してすぐ反映する形にしました。

あわせて、お知らせを会員の先生方にメールやLINEで届けるしくみも用意しています。

やったこと5:細かいところを「1つ」にそろえる

小さなことですが、運用のしやすさに効いたのは、ばらばらになりがちなものを1つにそろえたことです。

  • 送信元のアドレスを1つに。 申込フォームの自動返信や事務局へのお知らせなど、サイトから出るメールの送信元と返信先を、事務局のアドレス1つにまとめました。アドレスが増えるほど、管理の手間が増えるからです
  • 手順書の順番をそろえる。 「できること→ふだんの手順→触る場所→困ったとき」の順に書き、技術的な情報は最後に回しました。管理用の表には、タブごとに「触る場所/触らない場所」を書いています
  • やりたいこと別のリンク集。 管理用の表の先頭に、「お知らせを書きたい」「動画を足したい」のように、やりたいことから開ける入口を置きました

やったこと6:旧サイトから迷わず移る

以前のサイトから新しいサイトに移るとき、古いURLをブックマークしている先生や、検索結果から古いページを開く方がいます。そこで、旧サイトの主なURLを新しいページへ転送し(301転送)、http と https、www の有無も、正式なアドレス1つにそろえました。作り直しのときに確かめたいことは、リニューアル前のチェックリスト にまとめています。

事務局の仕事はどう変わったか

仕事 以前 今
会員一覧の更新 業者に頼んで待つ 名簿を直すだけ(約250名の一覧が追いかけて変わる)
退会・未納の方の扱い 手で一覧から消す 自動で外れる
医院へのリンク なし 管理用の表のURL欄を直すだけ
講義動画の追加 手作業で案内 表に1行足すだけ
お知らせ 更新を頼む 事務局が書いて公開、1分ほどで反映

自分の会で確かめる3つの質問

同じ形が合うかどうかは、次の3つで見当がつきます。

  1. 会員の名簿は、1つの表にまとまっていますか? 表が1つなら、それを正本にしてサイトとつなげます。複数に分かれている場合は、先にまとめ方を決めます
  2. サイトの更新を、業者に頼んで待っていることはありますか? 会員一覧やお知らせなど、毎回同じ形の更新なら、表や管理画面から直せる形にできます
  3. 退会や会費の未納を、手作業で一覧に反映していませんか? 名簿の「状態」の列から自動で外す形にできれば、消し忘れがなくなります

会員管理のしくみを選ぶ前に決めておきたいことは、会員管理システムの選び方 で詳しく書いています。医療系・歯科系の団体ならではの注意点は、医療系の学会・研究会のホームページの注意点 をご覧ください。

自分の会の場合はどうなるかを知りたい方は、医療系・歯科系の学会・研究会の方へ から、今のホームページの改善案(1枚)や、事務作業を「手間の地図」にまとめる棚卸し診断(オンライン45分・15,000円(税込))をご相談ください。

よくある質問

名簿を新しいシステムに移す必要はありましたか?

ありません。もとの名簿の表はそのまま使い、サイトの側から読むだけにしました。名簿を書き換えないので、今までの事務のやり方を変えずに済みます。

会員の医院へのリンクは、誰が確かめるのですか?

最初の登録は、医院名と所在地をページ上で確かめたものだけを載せました。その後の変更は、事務局が管理用の表のURL欄を直すだけで反映されます。確かめられない場合は空欄にしておく決まりです。

うちの会でも同じ形にできますか?

名簿を表(ExcelやGoogle スプレッドシート)で管理していれば、多くの場合は同じ考え方で組めます。会員数や会費の種類、更新する人の人数によって合う形が変わるので、まずは今の名簿と事務の流れを見せていただくところから始めます。

費用はどのくらいかかりますか?

必要な機能と、今のサイトや名簿の状態によって変わるため、この記事では載せていません。今のホームページを見て直すとよい点を1枚にまとめる改善案や、事務作業を「手間の地図」にする棚卸し診断からご相談いただけます。

医療系・歯科系の学会・研究会の方へ

症例写真や患者さんの情報に気を配りながら、会員サイトと事務の手間を整えます。

会員の先生方への案内、会員限定の講義動画、セミナーの申込、名簿と連動する会員一覧まで。歯科医師・医師の団体のサイトをつくってきた経験をもとに、今のサイトの改善案を1枚にまとめてお渡しすることもできます。