歯科医師会員の医院一覧をホームページに載せるには|リンクの確認と更新
歯科の学会や研究会のホームページに、会員の先生の医院一覧と、各医院のサイトへのリンクを載せたい。そう考える事務局の方に向けて、何を載せるか、どう確かめるか、どう更新し続けるかを順に整理しました。会員一覧そのものの決め方(載せる項目・同意・退会の扱い)は、会員一覧をホームページに載せる方法 にまとめていますので、この記事では「医院とそのリンク」に絞ります。
このテーマのご案内:医療系・歯科系の学会・研究会の方へ
結論:確かめたリンクだけを、名簿の1列で持つ
先に、この記事の結論を3つにまとめます。
- 載せるのは、医院名・所在地・公式サイトの3つを基本にする。 紹介文や得意な治療は添えません
- リンクは、医院名と所在地をリンク先のページで確かめられたものだけ。 確かめられないものは空欄にします。間違ったリンクより空欄のほうが、会員の先生の信用を守れます
- リンクは名簿の表の「URL」の列で持ち、そこを直せば一覧が変わる形にする。 一覧のページを手で直す形だと、更新のたびに食い違いが出ます
医院一覧は、会員にとって「入っている価値」になる
歯科の会の会員は、開業医の先生が中心のことが多くあります。会のホームページに自院の名前とリンクが載ることは、先生方にとって次のような意味を持ちます。
- 所属を示せる。 「この会で学んでいる医院」であることを、患者さんや地域の方に伝える手がかりになります
- 患者さんの紹介につながる。 引っ越し先の近くで、同じ会に入っている医院を探したい、という方の道しるべになります
- 会員どうしで紹介しやすくなる。 専門の違う先生へ患者さんをお願いするとき、一覧から医院を確かめられます
一方で、一覧に載っている情報が古かったり、リンク先が別の医院だったりすると、会の信用にもかかわります。載せる価値が大きいぶん、確かめ方と更新のしかたを先に決めておくことが大切です。
載せる項目は「医院名・所在地・公式サイト」から
医院一覧に載せる項目は、次の表を目安にします。
| 項目 | 載せるか | 考え方 |
|---|---|---|
| 医院名 | 載せる | 名簿の表記と、医院サイトの表記をそろえる |
| 所在地 | 載せる(都道府県・市区町村まで) | 地域から探せるようにする。番地まで載せるかは会で決める |
| 医院の公式サイト | 確かめられたものだけ | 確かめられないものは空欄 |
| 先生の氏名 | 会員一覧として載せるなら | 掲載の同意をとってから |
| 医院の電話番号 | 多くの場合、載せない | リンク先の医院サイトで足りる。古い番号が残りやすい |
| 紹介文・得意な治療・設備 | 載せない | 医療広告の考え方にかかわりうる(後述) |
勤務医の先生、分院を持つ先生、複数の医院で診療している先生もいらっしゃいます。「1人の先生に載せる医院は1つ(主に勤務している医院)」のように、会としての決まりを先に作っておくと、後で迷いません。
掲載の同意は「リンクの可否」まで確かめる
会員一覧への掲載の同意をとるときは、氏名を載せてよいかに加えて、医院名とリンクを載せてよいか、どのURLを載せたいかまで確かめます。入会申込書や掲載の確認の用紙に、次のような欄を設けると手間が少なくなります。
- 会員一覧への掲載:□ 氏名・医院名・所在地を載せる □ 載せない
- 医院サイトへのリンク:□ 載せる(URL: ) □ 載せない
返事がない方は「載せない」にしておくのが安全です。個人情報の扱いは、会の規約や、必要に応じて専門家への確認を前提にしてください。
リンクの確かめ方:5つの手順
リンクを1件ずつ確かめるときは、次の順で進めます。
- 候補のURLを集める。 先生から届け出てもらったURLがあれば、それを優先します。無ければ、医院名と所在地で探します
- 公式サイトかどうかを見る。 医院が自分で運営しているサイトを選びます。予約サイト、口コミや医院検索のサイト、SNSは入れない(入れるなら会で決めておく)のがおすすめです
- ページ上の医院名を確かめる。 名簿の医院名と一致するか。似た名前の別の医院や、同じ名前の医院が別の地域にあることがあります
- ページ上の所在地を確かめる。 医院の案内やアクセスのページで、住所が名簿と合うかを見ます。移転していることもあります
- 確かめられなければ空欄にする。 3と4のどちらかが確かめられなければ、無理に埋めずに空欄にし、先生にご確認をお願いします
確かめた日も一緒に記録しておくと、次の点検のときに「いつ時点の情報か」がわかります。
迷いやすいリンク先
| リンク先 | 扱いの目安 |
|---|---|
| 医院の公式サイトのトップページ | 載せる |
| 医院グループのサイト(分院が並んでいる) | その医院のページがあれば、そのページを載せる |
| 予約サイト・口コミサイトの医院ページ | 載せない(会で決めた場合を除く) |
| SNSのアカウント | 載せない(会で決めた場合を除く) |
| 「準備中」のままのサイト | 空欄にして、公開されたら載せる |
| 医院名は合うが所在地が違う | 載せない。移転か同名の別医院かを確かめる |
更新は「名簿の表のURL列を直すだけ」にする
医院のリンクは、作ったあとの更新がいちばん続きにくいところです。続けるための形はシンプルで、名簿(またはサイト用の管理の表)に「医院サイトURL」の列を1つ持ち、そこを直せば一覧が変わるようにします。
| 列 | 入れるもの | 誰が直すか |
|---|---|---|
| 医院名・所在地 | 名簿の届け出のとおり | 事務局(届け出があったとき) |
| 医院サイトURL | 確かめた公式サイト。無ければ空欄 | 事務局 |
| 確認日 | 最後に確かめた日 | 事務局 |
| メモ | 「移転の連絡待ち」など | 事務局 |
一覧のページを別に手で直す形だと、名簿とページのどちらが正しいのかわからなくなります。名簿を正本(いちばん正しい元の表)にしておけば、担当の方が替わっても、直す場所は1か所で済みます。
あわせて、年に1回など時期を決めて、リンクがつながるか、医院名と所在地が変わっていないかを点検します。総会の前や年会費の請求のときなど、会の動きに合わせると忘れにくくなります。
閉院・移転・承継のとき
医院の状況が変わったときは、次のように扱います。
| 状況 | やること |
|---|---|
| 閉院した | リンクを外す。会員資格が続くなら、氏名だけ残す |
| 移転した | 新しい所在地を名簿に反映し、リンク先の住所が新しくなっているかを確かめる |
| 医院名が変わった・承継した | 名簿の医院名を直し、URLが変わっていないかを確かめる |
| 勤務先が変わった(勤務医の先生) | 新しい勤務先を載せてよいか、先生に確かめてから載せる |
| サイトがつながらない | いったん空欄にし、先生にご確認をお願いする |
閉院した医院のドメイン(サイトの住所)は、手放されたあと別の人が使うことがあります。会のサイトから関係のないページへ案内してしまわないよう、閉院の連絡があったらリンクは早めに外しましょう。
医療広告ガイドラインとの関係で気をつけたいこと
医療機関のホームページは、医療法の広告規制の対象とされ、厚生労働省の「医療広告ガイドライン」に考え方が示されています。会のサイトは医療機関のサイトではありませんが、書き方によっては、特定の医院の広告と見られる可能性があります。
気をつけたいのは、次のような書き方です。
- 医院を「おすすめ」「名医」などの言葉で紹介する
- 会の認定と医院のリンクを並べ、「この治療はこちらで」と誘う
- 一覧に、治療の説明や費用、患者さんの声を添える
医院名と所在地を五十音順や地域順に並べてリンクするだけの形は、比較的中立な並べ方とされています。ただし、どこからが広告にあたるかは書き方しだいで、この記事は法律の判断を示すものではありません。厚生労働省のガイドラインとQ&Aを確かめ、迷う場合は会の顧問や法律の専門家にご相談ください。医療系の会のホームページ全般の注意点は、医療系の学会・研究会のホームページの注意点 にまとめています。
事例:JIPの会員一覧と医院へのリンク
歯科医師の会員制医療教育団体 JIP(Japan Implant Practice Society)の公式ホームページでは、名簿の表(スプレッドシート)から、会員一覧(約250名)をサイトへ自動で反映しています。会員一覧から各先生の医院のサイトへリンクできるようにし、最初の登録では、医院名と所在地をリンク先のページ上で確かめられたものだけを載せ、予約サイトやSNSではなく公式サイトを選び、確かめられないものは空欄にしました。登録後の変更は、事務局が管理用の表のURL欄を直すだけで反映されます。
くわしい流れは、JIPの会員一覧を名簿と連動した事例 で紹介しています。
自分の会で確かめる3つの質問
- 医院の情報は、名簿の表のどこに入っていますか? 医院名・所在地・URLが名簿の列にあれば、そこを正本にして一覧とつなげられます
- 今の一覧のリンクは、いつ、誰が確かめましたか? 答えられなければ、まず全件を1度点検し、確認日を残すところから始めます
- 閉院や移転の連絡は、誰に届き、どこに記録されますか? 届いた連絡が名簿のURL列まで届く流れがあれば、一覧は古くなりにくくなります
今の名簿と一覧を見ながら、自分の会ではどう持つとよいかを一緒に考えたい方は、医療系・歯科系の学会・研究会の方へ から、今のホームページの改善案(1枚)や、事務作業を「手間の地図」にまとめる棚卸し診断(オンライン45分・15,000円(税込))をご相談ください。
よくある質問
会員の医院のリンク先は、予約サイトやSNSでもよいですか?
会で決めてよいことですが、医院の公式サイトに限る形がおすすめです。予約サイトや口コミのサイトは掲載の内容や表示が医院の手を離れて変わることがあり、SNSはアカウントの切り替えでつながらなくなることがあります。公式サイトが無い医院は、無理に埋めず空欄にしておきます。
リンクを確かめる時間がとれないときは、どうすればよいですか?
確かめられた医院から順に載せ、残りは空欄のまま公開して構わない形にしておくと、作業が止まりません。会員の先生にご自身の医院サイトのURLを届け出てもらい、事務局はページ上の医院名と所在地が名簿と合うかを確かめるだけ、という分け方もあります。
会員一覧から医院へリンクすると、医療広告ガイドラインにかかわりますか?
一概には言えません。医院名と所在地を五十音順や地域順に並べてリンクするだけの形は比較的中立とされる一方、「おすすめ」などの言葉を添えたり、特定の治療に誘うような書き方をしたりすると、広告と見られる可能性があります。厚生労働省のガイドラインとQ&Aを確かめ、迷う場合は会の顧問や法律の専門家にご相談ください。
閉院された先生の医院は、すぐに一覧から外したほうがよいですか?
リンクは早めに外すのがおすすめです。閉院した医院のドメインが別の人の手に渡り、まったく関係のないページにつながることがあるためです。会員資格が続く場合は、医院名とリンクだけを外し、氏名は残す形にできます。